2009年6月4日木曜日

製薬会社が、学術雑誌まがいを発行。だまされるな!

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「査読付き」を名乗る、とてもインチキな学術論文誌
  in Slashdot Japan
スラッシュドット・ジャパン
hylomによる 2009年05月05日 18時14分の掲載
この発想はなかった部門より。
医療


pinbou 曰く、

本家/.の記事(Merck Created Phony Peer-Review Medical Journal)より。「Australasian Journal of Bone and Joint Medicine」という、自称ピア・レビュー(査読)付きジャーナルがある。骨や関節の医療に関する医学の専門学術論文誌のように聞こえるが、なんとこれは、世界的な医薬品メーカーとして知られるメルク(Merck)社が、自社の製品に都合の良いデータを発表して箔をつけるためにわざわざ設立したもの。実質的に査読は存在しなかったそうだ。

元のThe Scientistの記事(Merck published fake journal)は登録者しか読めないが、The American Journal of Bioethicsのブログblog.bioethics.netに出たSummar Johnson博士による記事(Merck Makes Phony Peer-Review Journal )によれば、この論文誌「Australasian~」はメルクが論文出版社として著名なエルゼビア(Elsevier)社に料金を払って発行してもらっている。しかし医学文献のオンラインデータベースであるMEDLINEには出ておらず、もちろんウェブサイトも存在しない。しかし権威あるエルゼビアから出ているということで、普通の医者はそのまま信じてしまうだろうとJohnson博士は警告している。

査読のプロセスはと言えば、このジャーナルの「名誉アドバイザリー・ボード」のメンバーだったオーストラリアのリューマチ学者、Peter Brooks氏によると、「一本の論文も査読したことはない」そうだ。また、Chemistry BlogのMitch Andre Garcia氏は実際にこの論文誌を読み、第二号の63%がメルクにとって都合の良い記事であることを見いだした(Merck Faked a Research Journal (.PDFs Available))。メルクは事実上この雑誌を自社薬品の宣伝のためのツールとして使っており、「専門誌Australasian Journal of Bone and Joint Medicineで発表された通り、当社のFosamaxは他の同種の医薬品の効果を上回っています…」などと宣伝していたらしい。

もちろん、「まともな」論文誌でも査読がきちんと機能しているかどうかは怪しいものではあるが、ここまで大がかりなイカサマをやったのはメルクが初めてではないか。
さて、論文査読って何?という方もいらっしゃるでしょうから、簡単に解説。


学術論文は、その研究の信憑性、信頼性を高めるために、内容をチェックします。
その分野の専門家が論文を読み、誤りやわかりにくい点を修正するように指摘して
論文発表予定者に返還することもあります。当然、おかしな論文は排除されます。
このような内容チェックを「査読」と言うのです。


例外として、速報性を重視し、査読を、専門家ではなく専門知識を持った編集者が主に行うような学術誌もあります。Natureなどはその典型例ですが、その知名度ゆえに、間違えた内容を論文として発表したりすれば、世界中の恥さらしになるため、社会的な検査というべきものが機能しています。 

ルール違反をして権威付けをし、商売に利用、なんて論外ですな。
まさか、世界最大級の製薬会社が詐欺ギリギリの行為を行っているなんてあきれてしまいますね。


メルク in Wikipedia

メルク・ジャパン 



これは便利なんだけどなあ・・


メルクマニュアル 第17版 in 萬有製薬


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