こういった病的近視と呼ばれる症状が、生体内で実際に眼球の変形によるものだと証明されました。
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特集記事:病的近視の原因である眼球の変形を3D MRIの画像解析で実証
http://www.natureasia.com/ja-jp/jobs/tokushu/detail/283
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2013年2月28日
東京医科歯科大学眼科学分野
大野京子准教授
東京医科歯科大学眼科学分野の大野京子准教授らの研究グループは、大日本印刷とともに、このほど世界で初めて、眼球の形状を3次元的なMRI(磁気共鳴画像)で描出することに成功し、この画像解析を使って、日本人に多い病的近視が眼球の変形によって起こることを実証した。
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病的近視は、眼鏡やコンタクトレンズを装着しても視力が出ない状態で、網膜出血、網膜変性、網膜剥離、黄斑剥離、緑内障などによって起こる。進行すると失明することも多い。その原因として、前後方向の長さ(眼軸)が長くなることに加え、眼球が変形して、網膜や視神経が伸ばされたり、ゆがんだりすることが考えられている。これまでは亡くなった人の眼球や病気で取り出した眼球の観察から、近視と眼軸の伸びや一部の変形との相関はわかっていたが、生体では見ることができなかった。
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病的近視の治療法として、大野准教授らが有望視しているのが、眼球の形を保っている強膜をコラーゲンで補強する方法。結膜を切開して強膜までチューブを通し、そこに紫外線を当て、コラーゲン同士を架橋させて強膜を硬くするというもの。また、強膜の幹細胞をシート状に増やし、強膜を補強する方法も開発中だ。いずれもマウスやウサギの実験で成功している。