医学生の会 第1回勉強会傍聴記
学生を侮ってはいけないと反省
川口恭(ロハス・メディカル発行人)
in 日経メディカルオンライン
記事全文を読むには無料登録が必要
10の大学から約80名の医学生(3年、4年)が集まり、
医学生の会、として現場の最前線で働く医師に質問をぶつける会だったようです。
関連:
医師のキャリアパスを考える医学生の会
以下抜粋
東大3年男性
「患者さんのニーズと言うけれど、そこに学生側のインセンティブがなかったらうまくいかない。地方に学生を行かせるというので、最初は予算つけちゃえという所から始まって、それでうまくいかなかったら読売新聞のように強制的配置にしろという意見が出てくるけれど、でもそんなことしたら、しばらくはいいけれど、医師をめざす高校生が減って、結局医師不足が進むだけだと思う。学生に対して、どんなインセンティブを与えればよいと思うか」
土屋了介・国立がんセンター中央病院院長。後期研修班会議 班長
「インセンティブの話をする前に、何が医師冥利に尽きるかということなんだが、これはやはり患者さんの感謝の言葉、治って笑顔になる、治らなくてもお礼を言ってもらえる、この職業から足を洗えなくなるのは、そういう喜びが大きいからだ。要は人間と人間のふれ合いの中に喜びはあって、そういうものが具現化しやすいのは、実は大学の中ではなく、開業してその人の人となり背景事情を全部知って家族のようになったところだ。最近は特に開業したからといって金儲けできるわけじゃない、むしろそういう喜びを求めていく人が多い。
中堅や若手の医師が僻地に行きたがらないのは、僻地へ行けるだけの教育をされてないから。自分の実力が心配なのだ。ある診療科しかやったことがないのに、いきなり総合医・家庭医の必要な地方へは行けない。
読売新聞もバカを言っちゃいけない。あの私案、大筋ではいい線行っていると思うが、若手の強制配置に関してだけは現場を見ないで言っている。地方へは中堅どころが行かないと意味がない」
群馬大5年女性
「卒前教育を充実してほしい。アメリカではメディカルスクールの後ろ2年はほとんどクリニカルクラークシップとして実習できている。でも日本では6年生は座学中心で、5年生は医師免許がないから見学になっている。そういった卒前での教育の遅れが、卒後教育の遅れにもつながっている。
私は、臨床研修の検討会に嘆願書を出している。5年終了時に医師国家試験を受けるチャンスを与えてほしい。免許がないと医療行為ができない。6年生に自動的にとは言わないから、試験を受けて合格した学生には実習を受ける権利を与えてほしい。やる気のある学生にインセンティブを与えてほしい」
しかし、このような優れた討論会が関東地方で開催できても
高知ではムリだという重い現実をくやしい思いで読まねばならないのでしょうか。
地方で医学を目指す皆さんは、この「格差」を「意欲」で乗り越えてほしいと思います。