in - MSN産経ニュース
2009.6.25 18:42
集団訴訟が提起されたNHKスペシャル「シリーズ・JAPANデビュー アジアの“一等国”」。NHKはこれまで放送内容には問題はなく、偏向もしていないと強調している。しかし、8千人を超える原告の数は今も増え続けており、第2次提訴も検討されている。一体、番組のどこの部分が問題とされているのか。
この記事で「提訴の問題点」 は次のようなものですが・・
NHKの肩を持つつもりはありませんが、提訴の内容が番組の本質的な部分ではないように思います。
《日本軍に対し、台湾人の抵抗は激しさを増していきます。戦いは全土に広がり、のちに「日台戦争」と呼ばれる規模へと拡大していきます》
・日台戦争というものはない 日台戦争という名称に注目するのはかまいませんが、抵抗運動があったのは事実でしょう。
それを端的にあらわす言葉を使うのも、NHKの編集権の中にふくまれていると思いますが。
《イギリスやフランスは博覧会などで植民地の人々を盛んに見せ物にしていました。人を展示する「人間動物園」と呼ばれました》
・NHKは、1910年の日英博覧会のパイワン族の写真に、「人間動物園」の文字をかぶせた。フランスの学者、ブランシャール氏の共著「人間動物園」などを参考にしたという。
しかし、当時イギリスやフランスでそうした言葉が使われていたのかどうかは明らかにしていない。また日英博覧会には、パイワン族だけでなく、日本の村やアイヌの村、力士も参加していた。
番組放映放映直後から、「日本の台湾統治の悪い面ばかりを強調している」「明らかに制作者側の悪意が感じられる」などの声が続出。「後藤新平を弾圧差別の首謀者として描くなど総じて台湾統治の負の側面をことさらに強調しており、わが国を不当に貶めた番組」だという怒りも。
不当に貶めた、のではなく、後藤新平は台湾を管理する官僚として台湾にいっただけのことで、当時の日本人にとって合理的だと思われる政策をおこなったのだという事実を述べただけでしょう。同じ事実であっても後世の評価としては弾圧だと解釈できるということだと思います。番組では触れられていませんが後藤新平の経済政策は現在でも台湾で高く評価されており、技術官僚としての後藤新平の偉大さは変わりません。
おそらく、この番組で本当に重要なメッセージは次の点だったのではないでしょうか。
(日本人学校の台湾人卒業生)
「私達は日本語でないと哲学も思考もできないんですよ。若いときの教育とは恐ろしいですね。」
NHK:「台湾の日本統治時代をどうおもいますか。」 (日本人学校の台湾人卒業生に対して)
卒業生:(苦しそうに)「いやだ、いやだ、統治なんていやだ」
台湾は親日的、という日本での報道の裏で、日本語でなければ文化・知識を得られなかった台湾人の苦しみがあり、それは日本の統治があったからこそおきたことなのだということを忘れてはなりません。
そして、それこそ「中国支配下の台湾ではそんな近代化は起きなかっただろう」という「仮想歴史」を根拠に批判してはならない点ではないでしょうか。
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