また、情報分野は経済学的に言えば、規模の経済が働く分野。
市場のシェアを確保すればするほど原価を抑えることができ、ますますシェアを拡大させることができます。
言い換えれば、ひとたび流れができると、パラダイムが変わらない限り、大きな企業はさらに大きく、小規模の企業は消滅する傾向が強いのです。
はたして、日本の携帯電話関連事業は、さらに復活できるのか。
また、市場はどのように拡大すればよいのか。
この5年の間に中国・台湾勢に押されてきた日本の携帯電話市場を、反省を込めて提案する第一人者の意見は重要だと思います。
「ガラパゴス化の張本人と言われ悔しい思い」、周波数委で元ドコモの夏野氏
in ITPro
情報通信審議会 情報通信技術分科会は2010年3月11日、「携帯電話等周波数有効利用方策委員会」の第39回会合を開催した。今回は周波数の再編によって空く700/900MHz帯について、元NTTドコモの夏野剛氏(慶応義塾大学大学院 政策メディア研究科 特別招聘教授)ら3人の有識者から意見聴取を行った。かなり大胆な提案ですね!
夏野氏は意見陳述の中で、「日本の900MHz帯の割り当ては、世界とまったく異なっている。このままでは日本の携帯電話のガラパゴス化がさらに進む」という考えを示し、国際的な周波数との協調(ハーモナイゼーション)が必要だとした。
その例として夏野氏は、ヨーロッパを中心にUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)という通信規格を採用した900MHz帯の携帯電話機が世界標準になりつつあるという認識を示し、「日本も欧州のUMTSに合わせて900MHz帯でペアの周波数を割り当てるべきだ」と主張した。
具体的には895M〜905MHzを上り、940M〜950MHzを下りとし、移動体通信向けに割り当てるという提案を行った。895M〜905MHzはパーソナル無線や移動体通信向けに割り当てられている周波数を再編して空け、940M〜950MHzは移動体通信向けに割り当てられる予定である915〜950MHzの一部を使う。「この周波数帯を使えれば、世界標準端末をそのまま日本でも使えるのではないか」(夏野氏)とした。
夏野氏が世界との整合性にこだわる背景には、「私は携帯電話のガラパゴス化の張本人のように言われることが多く、それに対して悔しい思いがあった」(夏野氏)と説明する。そこでなぜガラパゴス化が起こるのか研究を重ねた結果、周波数帯の違いが大きな要因であることが分かったという。
(松浦 龍夫=日経ニューメディア) [2010/03/11]
ですが、従来の携帯は、期限付きで使えなくなるようなシステムになるのではないかと少し心配です。携帯電話の更新は2年単位なので、地デジのように長期間準備期間を確保k歩ければならないということはないと思いますが、実現にはかなりの障害がありそうです。