2009年3月14日土曜日

リウマチ治療の新しい研究成果(前編)-多剤併用治療が就業状況を改善

昨年10月に開催された米国リウマチ学会の研究成果が日経メディカルで公表されています。
近年、抗TNFα薬であるインフリキシマブによりリウマチの症状が改善されています。
この薬はリウマチ生物学的製剤と呼ばれるもので、現在では一回の治療に22万円、自己負担は3割で7万円です。高額ですが、かなりの好成績を治めている治療法です。

今回は、その治療法に関する発表の一部を紹介します。

インフリキシマブの短期併用でRA患者の失業・休業が著明に減少
in 日経メディカルオンライン

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フィンランド・ヘルシンキ大学のMarjatta Leirisalo-Repo氏らは、メトトレキサート(MTX)+スルファサラジン(SSZ)+ヒドロキシクロロキン(HCQ:本邦未承認)+プレドニゾロン(PRD)の4剤併用レジメン(COMBI)により、勤労の機会を失う関節リウマチ(RA)患者が減少することを報告している。今回、同氏らは、このCOMBIレジメンにインフリキシマブ(IFX)を6カ月のみ併用することにより、一層多くの患者が失業・休業から救われることを、多施設共同無作為化比較試験・NEO-RACo試験において確認、サンフランシスコで開催中の米国リウマチ学会(ACR2008)で発表した。

リウマチ生物学的製剤を複数利用することで、リウマチの症状は大きく改善されることが再び確認されました。しかし、この治療方法は日本では一般的ではありません。薬剤が高額なためです。
今回のこの発表は、治療が患者の生活を改善するだけでなく、就労状況の改善すると示唆しています。
就労できるリウマチ患者が増えれば、その賃金、そして税収が見込めます。
高額な治療は、社会保障上の負担であるという考え方から脱却し、これは「投資」なのだと考えるべきでしょう。
リウマチの多剤併用治療法が多くの人々に処置されるよう、保険制度を改善してほしいものです。


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