電源プラグ自体が超小型PC:米Marvell社のプラットフォーム『SheevaPlug』
in WIRED VISION 2009年2月26日
コンピューターは信じられないほど小型化が進んでいるが、とうとうサイズの限界に近づきつつある。壁のコンセントに差し込む電源プラグの中に全体が収められた、新しいコンピューターが登場したのだ。これよりも小さくなるとすると、コンピューターは電源コンセントの中に消えてしまうことになるだろう。およそ1万円でパソコン本体が購入できるわけですが、モニタまで考えると、もう少しかかりますね。でも、オフィスで運用する際、うまくいけばコンセントとモニタ、キーボードだけというシンプルな構成で良いなら、狭いオフィスでも充実するかも。
プラグ・コンピューターと呼ばれる米Marvell社の新型コンピューターは、携帯電話の充電器のように見えるが、中身はずっしり重い。
1.2GHzのCPUとUSBポートが搭載されており、インターネットに接続できる。ディスプレイは付いていないが、ホームサーバーとして、あるいは休暇中に撮影した写真やダウンロードした音楽を保存するためのネットワーク接続ストレージ(NAS)などとして使うことができる。
電源プラグのような形状のため、企業や消費者は低価格のコンピューター・システムを構築できるとMarvell社は話している。さらに、この目立たないプラグは、見た目は高価に見える他の電子機器を泥棒たちがすべて運び出した後も、コンセントに付いたまま残される可能性が高いという利点もある。
このプラグ・コンピューターは、Marvell社の1.2GHzの組み込み型CPUベースの『SheevaPlug』プラットフォームに基づく。512MBのフラッシュ・メモリーと512MBのDRAMも搭載され、イーサネットで家庭用ネットワークに接続でき、USB 2.0ポートが付いている。
このプラットフォームは『Linux』ディストリビューションをサポートしており、パソコンメーカーはこれを基にLinuxベースのシステムを作ることが可能だ。
プラグ・コンピューターの消費電力はわずか約5W。装置全体で、ホームサーバーとして一般に使われているパソコンの電力の10分の1しか使わないように設計されている、とMarvell社は説明している。
Marvell社ではプラグ・コンピューターの開発キットを、同社のウェブサイトを通じて99ドルで提供するが、十分な需要があれば価格は下がる可能性があるとしている。開発キットには、このプラットフォーム向けアプリケーションを開発するために必要な設計の詳細とソフトウェアも含まれる。
すでにいくつかの新興企業が、Marvell社のプラットフォームを使って新しい機器を発表している。先月開催された『Consumer Electronics Show』(CES)では、米Cloud Engines社が『Pogoplug』を発表した。この99ドルの機器は、ユーザーの外付けハードディスクをインターネットに接続して、どこからでもファイルを簡単に共有したり、ファイルにアクセスできるようにするものだ。
日本語版プレスリリース
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